NotebookLMで防災の備え|初心者向けハザードマップ活用4ステップ

自宅のハザードマップ(災害の危険がある場所を色分けした地図)を開いてはみたものの、細かい文字と色だらけで、結局そっと閉じてしまった経験はありませんか。

9月1日は防災の日です。この記事では、NotebookLMという無料のAIを使って、地域の防災資料を「わが家の場合はどうすればいいのか」に読み替える4つのステップをご紹介します。あわせて、防災という命に関わるテーマだからこそ、AIに任せてはいけない部分もはっきりお伝えします。パソコンが得意でない方でも、30分ほどで一通りできる内容です。

NotebookLMが防災の備えに向いている理由

NotebookLMは、グーグルが提供している無料のAIツールです。2026年7月から「Gemini Notebook(ジェミニ ノートブック)」という名前に変わりましたが、中身は同じもので、これまで作ったノートもそのまま使えます。検索では旧名の「NotebookLM」で調べる方がまだ多いため、この記事では聞き慣れた「NotebookLM」で統一してご説明します。

このツールが防災と相性がいいのは、次の3つの理由からです。

1. 自分で入れた資料だけを読んで答えてくれる

ChatGPTなどの一般的なAIは、インターネット全体の知識をもとに答えます。便利な反面、「よその地域の話」が混ざってしまうことがあります。NotebookLMは、あなたが読み込ませた資料の中だけから答えるので、お住まいの自治体の情報だけをもとにした回答が返ってきます。

2. どこに書いてあったかを示してくれる

答えの横に「この情報は資料の何ページから取りました」という印が付きます。気になったらすぐ元の資料を確認できるので、防災のように「間違えたら困る」テーマでは特に安心です。

3. 無料で十分に使える

無料のままでも、1つのノートに最大50個の資料を入れられます。ご家庭の防災資料であれば、無料の範囲で十分に足ります。

AI初心者向けのセミナーでは「AIって結局、何に使えばいいんですか」というご質問を本当によくいただきます。答えの一つが、まさにこういう「読むのが面倒だけど、読まないと困る書類」なんです。地域のセミナーでお会いした方からも、防災の冊子は配られたけれど読み切れていない、という声を聞くことがあります。【要確認:経験談】

なお、同じやり方は保険の書類にも使えます。災害への備えという意味では、NotebookLMで保険証券を読み解く方法もあわせてお読みいただくと、火災保険や地震保険の内容も一緒に確認できます。

ステップ1:わが家に必要な防災資料を集める

最初にやることは、AIに読ませる資料を集めることです。ここが一番大事で、ここさえできれば後は簡単です。

集めるのは次の3つです。

(1)お住まいの地域のハザードマップ

国土交通省の「ハザードマップポータルサイト」(https://disaportal.gsi.go.jp/ )を開きます。ここには2つの入り口があります。

  • 重ねるハザードマップ:住所を入れると、洪水・土砂災害・高潮・津波などの危険度を地図上で確認できます
  • わがまちハザードマップ:お住まいの市区町村が作った公式のハザードマップ(PDF)へのリンク集です

AIに読ませるのは「わがまちハザードマップ」から進んだ先にある、自治体のPDFファイルです。パソコンにダウンロードしておきましょう。

(2)自治体の防災ガイドブック・避難所一覧

「〇〇市 防災ガイド PDF」「〇〇区 避難所 一覧」のように検索すると、自治体が配っている冊子のPDFが見つかります。紙で配られたものが手元にあれば、それを探すより公式サイトのPDFを使うほうが確実です。

(3)非常持ち出し品のリスト

自治体や消防庁が公開しているリストのページを用意します。こちらはPDFでなくウェブページのURLでも大丈夫です。

この3つがそろえば準備完了です。時間がなければ(1)だけでも始められます。

ステップ2・3:読み込ませて「わが家の場合」を質問する

ここからはとても簡単です。

読み込ませる手順

  1. パソコンで NotebookLM のサイトを開き、グーグルのアカウントでログインします
  2. 「新規作成」で新しいノートを作ります
  3. 資料を追加する画面が出るので、ステップ1で集めたPDFをドラッグして入れます。ウェブページはURLを貼り付ければ読み込めます
  4. 少し待つと、資料の要約が自動で表示されます

ノートの名前は「わが家の防災」など、後から見てわかるものにしておくと便利です。

「わが家の場合」を質問する

ここが一番大事なところです。「要約して」だけで終わらせず、あなたの家族構成や住まいの条件を添えて質問すると、資料が一気に「自分ごと」に変わります。

質問の例をそのまま使っていただけるよう、いくつか挙げておきます。

  • 「この資料をもとに、わが家がまず確認すべきことを5つ、優先順位をつけて教えてください」
  • 「小学生の子どもと足の悪い親がいる家庭が、避難のときに気をつけることを教えてください」
  • 「自宅の住所は〇〇です。一番近い避難所と、そこへ向かうときの注意点を資料から抜き出してください」
  • 「この地域で起こりやすい災害は何ですか。資料のどこに書いてあるかも教えてください」
  • 「マンションの3階に住んでいます。在宅避難(自宅にとどまる避難)をする場合に必要な備えを教えてください」

「小学生の子ども」「足の悪い親」「マンションの3階」といった一言を足すだけで、答えの具体性が大きく変わります。分厚い冊子の中から、自分に関係のある部分だけを引き出せるのがこのツールの一番おいしいところです。

ステップ4:音声概要にして家族と共有する

備えは、家族で共有できて初めて意味を持ちます。とはいえ「この資料読んでおいて」と渡しても、なかなか読んでもらえないものです。

そこで使えるのが音声概要という機能です。読み込ませた資料をもとに、AIが2人でおしゃべりするラジオ番組のような音声を自動で作ってくれます。日本語にも対応していて、無料でも使えます。

家族の集まる夕食のときや、車での移動中に流しておくだけで、「うちの地域って水害のほうが危ないんだね」といった会話が自然に生まれます。文字で読むより、ずっと家族に届きやすい形です。

音声概要の詳しい作り方は、Gemini Notebookの音声概要の使い方で3ステップにまとめていますので、あわせてご覧ください。

印刷して玄関に貼るところまでやる

そしてもう一つ、忘れずにやっていただきたいことがあります。AIが整理してくれた要点を、紙に印刷して玄関や冷蔵庫に貼っておくことです。

災害のときは、停電したり通信が混み合ったりして、スマホでAIを開けない可能性が高いからです。せっかく整理した情報が、いざというときに開けなければ意味がありません。避難所の名前と場所、家族の集合場所、連絡手段の3つだけでも紙にしておくと安心です。

ここは必ず自分の目で確認する|AIに任せてはいけない3つのこと

防災は命に関わるテーマです。ここだけは正直にお伝えしておきます。

1. 地図の色分けは、必ず自分の目で確認する

NotebookLMは文章を読むのは得意ですが、地図の色や境界線を正確に読み取るのは苦手です。「自宅が浸水想定区域に入っているか」といった判定をAIの答えだけで済ませるのは危険です。色の判定は、必ずハザードマップポータルサイトの地図を自分の目で拡大して確認してください。AIには、地図に添えられた説明文や注意書き、避難所リストなど「文字の部分」を読ませる、と考えるのが正解です。

2. 避難するかどうかの判断は、そのときの公式情報で

NotebookLMは、あなたが読み込ませた資料しか知りません。今この瞬間の雨量や、自治体が出している避難情報は入っていません。実際に災害が近づいたときは、必ず自治体の防災アプリ・防災無線・気象庁の発表など、そのときの公式情報にしたがってください。この記事でご紹介しているのは、あくまで平常時に備えを整えるための使い方です。

3. 資料が古ければ、答えも古くなる

ハザードマップは数年ごとに更新されます。読み込ませたPDFの発行年月日を確認して、古いものであれば新しいものに差し替えてください。AIは「この資料は古いですよ」とは教えてくれません。

よくある質問

Q. NotebookLMは本当に無料で使えますか?

はい、グーグルのアカウントがあれば無料で使えます。1つのノートに入れられる資料は50個までなど上限はありますが、ご家庭の防災資料であればまず超えることはありません。有料プランもありますが、この記事の内容は無料の範囲でできます。

Q. スマホだけでもできますか?

スマホのアプリでも使えます。ただ、ハザードマップのPDFをダウンロードして読み込ませる作業は、パソコンのほうが圧倒的に楽です。最初の準備だけパソコンで行い、その後の質問や音声を聞くのはスマホで、という使い分けがおすすめです。

Q. 個人情報を入力しても大丈夫ですか?

住所や家族構成を質問に入れる場合は、少し注意が必要です。番地まで正確に入れなくても「〇〇市〇〇町のあたり」という程度で十分に役立つ答えが返ってきます。不安な方は、町名までにとどめておくとよいでしょう。

まとめ

最後に、この記事の要点を3つにまとめます。

  1. NotebookLMは、自治体のハザードマップや防災ガイドを「わが家の場合」に読み替えるのに向いている。読み込ませた資料だけから、出典付きで答えてくれるためです
  2. 家族構成や住まいの条件を添えて質問すると、分厚い冊子が自分ごとの備えリストに変わる。音声概要にすれば家族にも届きやすくなります
  3. 地図の色分けと、避難の判断だけはAIに任せない。要点は紙に印刷して玄関に貼っておく

まずは、ハザードマップポータルサイトでご自宅の住所を入れてみるところから始めてみてください。そこで見つけたPDFを1つ読み込ませるだけでも、防災の日の過ごし方が変わるはずです。


この記事は、AI講師として累計350名以上に教えてきた Ryo(Nawa AI Lab)が書きました。

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