NotebookLMで就業規則を読む|初心者向け3ステップで有給を確認
「有給休暇って、何日前までに申請すればいいんだっけ」
こう思ったとき、インターネットで検索していませんか。実はその答え、検索しても出てきません。申請の期限も、慶弔休暇の日数も、副業がOKかどうかも、すべて会社ごとに違うからです。正解が書いてあるのは、自分の会社の就業規則だけです。
とはいえ、就業規則は100ページ近くあることも珍しくありません。第何条にどれが書いてあるのか、探すだけで一苦労です。
結論からお伝えすると、こういう「長いのに、どうしても確認したい書類」こそNotebookLM(ノートブックエルエム)の出番です。Googleが無料で出しているAIツールで、自分が入れた資料の中だけを読んで答えてくれます。しかも「第◯条にこう書いてあります」と、根拠の場所まで示してくれます。
この記事を読むと、次の3つがわかります。
- NotebookLMで就業規則を読む具体的な3ステップ
- そのままコピーして使える、就業規則への質問例10個
- 会社の書類をAIに入れる前に、必ず確認したい3つのこと
なお、NotebookLMは2026年7月に「Gemini Notebook(ジェミニ ノートブック)」へ名前が変わりました。この記事では検索で見つけやすいように「NotebookLM」で統一していますが、Gemini Notebookでもまったく同じ手順で使えます(名前が変わった経緯はこちら)。
そもそも就業規則はどこにある?まずはここから
「AIに読ませる前に、就業規則そのものが手元にない」
セミナーでこの話をすると、実はここでつまずく方が一番多いです。先にここを片付けておきましょう。
就業規則は、会社が働く人に見せなければならない決まりになっています。 労働基準法の第106条で「周知義務」として定められていて、具体的には次の3つのどれかの方法をとることになっています。
| 周知の方法 | 探す場所の例 |
|---|---|
| 見やすい場所に掲示・備え付ける | 休憩室の棚、総務のキャビネット |
| 書面で配る | 入社時に渡された冊子、配布ファイル |
| データで記録し、いつでも見られる機器を置く | 社内ポータル、共有フォルダ、グループウェア |
つまり、どこかに必ず置いてあるはずのものです。まずは社内ポータルや共有フォルダを「就業規則」で検索してみてください。見つからなければ、総務や人事の方に「就業規則を確認したいのですが、どこにありますか」と聞けば大丈夫です。これは労働者として当然の確認なので、遠慮する必要はまったくありません。
もし「見せられない」と言われてしまった場合は、周知義務を果たしていないことになります。その場合は、お住まいの地域の労働基準監督署に相談できます。
NotebookLMで就業規則を読む3ステップ
就業規則のファイル(PDFやWord)が手に入ったら、あとは3ステップです。パソコンでもスマホでもできます。
ステップ1:ファイルの形を確認する
社内ポータルからダウンロードしたPDFや、Wordのファイルなら、そのまま使えます。ここは何もしなくて大丈夫です。
問題は、紙の冊子しかない場合です。スマホで撮った写真をそのまま入れると、うまく読み取ってもらえないことがあります。写真のPDFは、人の目には文字に見えても、パソコンから見ると「文字のデータが入っていない、ただの画像」だからです。
その場合は、iPhoneの「メモ」アプリやGoogleドライブアプリの書類スキャン機能を使ってください。カメラで普通に撮るのではなく、この機能で読み取ると、文字を認識した状態で保存されます。紙の書類をAIに読ませる手順はNotebookLMで賃貸契約書を読む3ステップで詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
ステップ2:NotebookLMに読み込ませる
- NotebookLMにアクセスし、Googleアカウントでログインします
- 「新規作成」(または「+」)をクリックします
- 「ソースを追加」の画面で、就業規則のファイルをドラッグするか選択します
- 数十秒待つと、内容の要約が自動で表示されます
これで準備は完了です。就業規則のほかに、賃金規程・育児介護休業規程・退職金規程が別ファイルで存在することもよくあります。手当や休業の話は本体ではなく別の規程に書かれていることが多いので、あれば一緒に入れてしまいましょう。NotebookLMは複数のファイルをまたいで探してくれます。
なお、この作業は通勤中にスマホだけでも完結します。アプリの始め方はNotebookLMはスマホだけで使える?にまとめています。
ステップ3:知りたいことを普通の言葉で聞く
画面下の入力欄に、話し言葉で質問を打ち込みます。「第何条ですか」のような聞き方をする必要はありません。
例えば「有給休暇は何日前までに申請すればいいですか」と入れると、こんな形で返ってきます。
有給休暇の請求は、原則として取得日の3日前までに所属長へ届け出ることとされています(第◯条)
大事なのは、答えの文末に表示される引用マークです。ここをクリックすると、根拠になった条文がそのまま開きます。必ずここを開いて、自分の目で条文を確認してください。 AIの要約だけで判断せず、原文を見る。これが会社のルールを扱うときの鉄則です。
そのまま使える質問例10個
就業規則に対してよく使う質問を並べました。コピーして貼り付けるだけで使えます。
休みについて
- 有給休暇は入社何か月後から使えますか。付与される日数も教えてください
- 有給休暇は何日前までに申請する決まりになっていますか
- 慶弔休暇は何日取れますか。対象になる親族の範囲も教えてください
- 育児休業・介護休業の申請方法と期限を教えてください
働く時間とお金について
- 残業代の割増率は何パーセントと書かれていますか
- 休日に出勤した場合の扱いはどうなりますか
- 通勤手当と住宅手当の支給条件を教えてください
働き方と退職について
- 副業・兼業について書かれている部分を教えてください
- 在宅勤務(テレワーク)に関する決まりはありますか
- 退職するときは何日前までに申し出る必要がありますか
さらに便利なのが、比べる聞き方です。「私は入社2年目で、9月に3日連続で休みたいと考えています。就業規則に照らして必要な手続きを教えてください」のように自分の状況を添えると、条文をそのまま返すのではなく、自分の場合の手順として整理してくれます。
会社の書類をAIに入れる前に、確認したい3つのこと
「AIに会社の書類を入れても大丈夫ですか」
これは、セミナーでも必ずと言っていいほどいただく質問です。3つに整理してお答えします。
1. 入れた資料がAIの学習に使われることはありません
Googleの公式ヘルプには、アップロードした資料を生成AIモデルの学習に使うことはないと明記されています。ノートを共有しない限り、内容が見えるのは自分だけです。
ただし1つだけ例外があります。個人のGoogleアカウントで回答の「高評価・低評価」ボタンを押してフィードバックを送った場合、改善や不正利用への対応のために、人がその内容を確認することがあります(Gemini Notebookのプライバシーと利用規約)。会社の書類を扱っているときは、この評価ボタンを押さないでおくのが無難です。
2. 会社のルールを先に確認する
Googleの仕組みとして安全でも、勤務先が社外のAIツールへの資料の持ち出しを禁止している場合があります。 情報セキュリティ規程やAI利用ガイドラインが社内にないか、先に確認してください。ここは会社ごとに判断が分かれるところなので、迷ったら情報システム部門か上長に一言確認するのが確実です。
3. 他人の情報が入ったファイルは入れない
就業規則は基本的に全社員に配られる文書なので、個人情報は含まれません。一方で、給与明細や人事評価シートなど特定の個人の情報が入ったファイルは避けてください。 自分だけの情報ならまだしも、部下や同僚の情報が入ったものは扱わないのが原則です。
よくある質問
Q. NotebookLMは無料で使えますか
はい、Googleアカウントがあれば無料で使えます。無料の範囲で就業規則を読み込ませて質問することは十分にできます。
Q. AIの回答をそのまま会社に伝えても大丈夫ですか
おすすめしません。NotebookLMは「就業規則に何と書いてあるか」を教えてくれるツールであって、「それが法律的に正しいか」「自分の主張が通るか」までは判断できません。条文の場所を素早く見つける道具として使い、判断が必要な場面では人事や社会保険労務士、労働基準監督署に相談してください。
Q. 就業規則が古いまま更新されていない気がします
その可能性はあります。NotebookLMは、入れたファイルに書いてあることしか答えられません。ファイルの表紙や末尾にある「改定日」を確認し、数年前のものであれば、総務に最新版があるか聞いてみてください。古い規程で判断してしまうのが一番危ないパターンです。
まとめ
最後に要点を3つにまとめます。
- 就業規則は、会社が働く人に見せる義務がある書類です(労働基準法106条)。まずは社内ポータルや総務で入手しましょう
- NotebookLMに読み込ませれば、100ページの規程から知りたい条文だけを数十秒で探せます。 引用マークから原文を必ず確認するのが使い方のコツです
- 入れた資料が学習に使われることはありませんが、評価ボタンは押さない・勤務先のルールを先に確認する。この2点だけ守れば安心して使えます
次の一歩として、まずは自分の会社の就業規則がどこにあるかを探すところから始めてみてください。ファイルさえ見つかれば、あとは3分で終わります。「有給は何日前までだっけ」と毎回もやもやする時間が、これでなくなります。
この記事は、AI講師として累計350名以上に教えてきた Ryo(Nawa AI Lab)が書きました。
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