NotebookLMで就業規則を読む|初心者でも有給・残業がわかる3ステップ
結論からお伝えすると、就業規則は「全部読む」のをやめて、NotebookLM(ノートブックエルエム。Googleが提供する、自分が渡した資料だけを読んで答えてくれる無料のAIツール)に読み込ませ、知りたいところだけを質問するのがいちばん早いです。
この記事では、NotebookLMで就業規則を読む3ステップと、そのまま使える質問例6つを、初心者向けにやさしく解説します。有給休暇の繰り越し、残業代の扱い、副業ができるかどうか。気になっているその1点だけを、数分で確認できるようになります。
※ NotebookLMは2026年7月に、Googleが「Gemini Notebook(ジェミニ ノートブック)」へ名称を変更しました。中身は同じツールで、今も「NotebookLM」の呼び方が広く使われているため、この記事ではNotebookLMと表記します。
就業規則が読みにくいのは、あなたのせいではありません
まず安心していただきたいのですが、就業規則が読みづらいのは読む側の問題ではありません。次の4つが重なっているからです。
- 量が多い:数十ページから百ページ以上あることも珍しくありません
- 法律の言い回しが多い:「所定労働時間」「賃金締切日」など、日常では使わない言葉が並びます
- 別の規程に話が飛ぶ:お金のことは賃金規程、育休のことは育児・介護休業規程と、別のファイルに分かれていることがよくあります
- 改定が積み重なっている:何年も継ぎ足しで直されているため、話の流れがつながりにくくなっています
ただ、実際に私たちが知りたいことは、たいてい「有給はいつまで繰り越せるのか」のようなたった1点です。百ページを読む必要はなく、その1点だけを引っぱり出せればいい。この「必要なところだけ探して読む」作業が、NotebookLMのいちばん得意なことなのです。
NotebookLMで就業規則を読む3ステップ
ステップ1:就業規則のファイルを用意する
社内の共有フォルダや社内サイト、入社したときにもらった資料を探してみてください。
見つからない場合は、総務や人事に「就業規則を確認したいのですが」と伝えれば大丈夫です。労働基準法では、会社は就業規則を従業員がいつでも見られる状態にしておく義務がある(周知義務といいます)と決められているので、これは当然の求めです。気後れする必要はありません。
紙でしか手元にない場合は、スマートフォンのスキャン機能(カメラで撮ってPDFにする機能)で読み取れば大丈夫です。このとき、賃金規程や育児・介護休業規程など、別冊になっているものも一緒にそろえておくと、あとの答えが正確になります。
ステップ2:NotebookLMに読み込ませる
「NotebookLM」で検索して公式サイトを開き、お持ちのGoogleアカウントでログインします。料金はかからず、2026年9月時点では無料で使えます。
- 「新規作成」で新しいノートブック(資料をまとめる箱のようなもの)を作る
- 「ソースを追加」を押して、就業規則のPDFやWordファイルをドラッグして入れる
- 賃金規程など別冊のファイルがあれば、同じ箱に続けて入れる
ここがポイントで、複数のファイルをまとめて入れられるのがNotebookLMの強みです。「残業代のことは賃金規程に書いてある」というように話が飛んでいても、全部の資料を横断して答えを探してくれます。
読み込みが終わると、資料全体の要約が自動で表示されます。これで準備は完了です。
ステップ3:知りたいことだけを質問する
あとは画面下のチャット欄に、日本語でそのまま質問するだけです。
そして必ずやっていただきたいことが1つあります。答えの文中に表示される小さな番号をクリックしてみてください。就業規則の何条のどの部分を根拠にしているのかが、原文のまま表示されます。
この「引用元をその場で確認できる」仕組みが、就業規則のような大事な書類をAIに読ませるときの命綱です。AIは、もっともらしい間違いを自信たっぷりに答えてしまうことがあります。番号をクリックして原文を目で確かめる。このひと手間を習慣にすれば、安心して使えます。
そのまま使える質問例6つ
AIに慣れていない方がつまずくのは、たいてい使い方ではなく「何をどう聞けばいいかわからない」という点です。まずは次の6つをコピーして、そのまま貼り付けてみてください。
1. 有給休暇について
有給休暇は何日もらえますか。使わなかった分は翌年に繰り越せますか。根拠になる条文も教えてください。
2. 残業代について
残業代の計算方法を教えてください。固定残業代(みなし残業)は含まれていますか。含まれている場合は何時間分ですか。
3. 育児休業について
育児休業を取るには、いつまでに誰に申し出る必要がありますか。期間はどこまで延ばせますか。
4. 退職の申し出について
退職したいとき、何日前までに申し出る決まりになっていますか。
5. 副業について
副業や兼業は認められていますか。届け出や許可は必要ですか。
6. 慶弔休暇について
家族が亡くなったとき、何日休めますか。その休みは有給ですか無給ですか。
コツは、質問の最後に「根拠になる条文も教えてください」と付け足すことです。こう書いておくと、答えと一緒に条文の番号が返ってくるので、原文の確認がぐっと速くなります。
会社の書類をAIに入れる前に、確認したい3つのこと
便利な反面、会社の書類を扱うときは気をつけたい点があります。次の3つだけ押さえておいてください。
1. 会社のルールを先に確認する
会社によっては、社外のAIサービスに社内資料を入れることを禁止している場合があります。就業規則そのものは従業員に広く配られる文書なので比較的リスクは低いのですが、まずは自社の情報の取り扱いルールを確認してからにしましょう。
2. 個人が特定できる情報が入ったファイルは入れない
就業規則は大丈夫でも、給与明細や社員名簿のように、名前や金額が載っているファイルは別です。なお、Googleは「NotebookLMにアップロードした資料をAIの学習には使わない」と説明していますが、フィードバックを送った場合にはGoogleの担当者が内容を確認することがあるとも案内されています。AIに何を入れてよいかの線引きについては、NotebookLMに個人情報を入れて大丈夫?初心者向け・安全に使う3つのルールで詳しく解説しています。
3. 最終判断は原文と人に確認する
AIの答えはあくまで下調べです。労働条件の話は、そのままお金や生活に直結します。込み入った内容や、会社と話し合う必要がある場面では、総務・人事の担当者や、社会保険労務士、お住まいの地域の労働基準監督署に相談してください。なお、同じやり方は他の契約書類にも使えます。住まいの契約についてはNotebookLMで賃貸契約書を読む3ステップもあわせてどうぞ。
よくある質問
Q1. 本当に無料で使えますか?
はい。2026年9月時点では、Googleアカウントがあれば無料で使えます。無料の範囲では扱えるファイル数などに上限がありますが、就業規則と関連規程を数ファイル読み込ませる程度であれば十分足ります。
Q2. 紙の就業規則しか手元にありません
スマートフォンで撮影してPDFにすれば読み込めます。ただし、文字がかすれていたり影が入っていたりすると読み取りの精度が落ちます。明るい場所で、なるべく真上から撮るのがコツです。
Q3. 古い就業規則と新しいものが混ざっています
改定日を確認して、最新版だけを入れてください。古いものを一緒に入れると、古いほうの条文を引用して答えてしまうことがあります。「どちらが最新かわからない」という場合は、総務に確認するのが確実です。
まとめ
最後に要点を3つにまとめます。
- 就業規則は全部読まなくていい。知りたい1点だけをNotebookLMに質問すれば数分で確認できます
- 引用元の番号を必ずクリックする。原文で裏を取れるかどうかが、AIを安心して使えるかの分かれ目です
- 答えは下調べとして使う。実際に会社と話すときは、原文と人への確認をセットにしてください
まずは、いま気になっていることを1つだけ思い浮かべてみてください。有給のことでも、副業のことでもかまいません。その1問を質問してみるところから始めれば、就業規則は「読むもの」から「聞けるもの」に変わります。
この記事は、AI講師として累計350名以上に教えてきた Ryo(Nawa AI Lab)が書きました。
「自分の仕事だとどう使えばいい?」という個別のご相談は、お問い合わせページからお気軽にどうぞ。
X(旧Twitter)でも毎日AI活用のコツを発信しています → @bunbun_ainawa
Contact
AI研修・講座のご相談はこちら
生成AIの研修、セミナー、個別サポートなど、目的や受講者のレベルに合わせてご提案します。
お問い合わせする