350人にAIを教えてわかった。「AIが得意になる人」がやっている、たった1つの習慣

いつもの記事では、AIのニュースや使い方を「解説する側」としてお届けしています。でも今日は少し趣向を変えて、AI講師としての現場で見てきたことをお話しさせてください。

私はこれまで、市民館の講座やスクールでの授業などを通じて、累計350名以上の方に生成AI(文章や画像を自動で作ってくれるAIのこと)の使い方をお伝えしてきました。受講者の多くは、パソコンやスマホの操作に自信がない初心者の方です。

たくさんの方と接する中で、あることに気づきました。それは、「AIがどんどん得意になる人」と「途中でやめてしまう人」の差は、パソコンの得意・不得意ではないということです。

この記事では、講師の目線から見えてきた「得意になる人の共通点」と、今日から真似できる習慣をご紹介します。

実は、一番多いつまずきは「操作」ではありません

講座を始める前、私はこう思っていました。「初心者の方がつまずくのは、きっとログインの仕方や画面の操作だろう」と。

ところが実際に350名以上の方と接してみると、操作でつまずく方は意外と少ないのです。ChatGPT(チャットジーピーティー:文章で質問すると答えてくれるAIサービス)の画面はとてもシンプルなので、一度開いてしまえば、ほとんどの方が入力までたどり着けます。

本当のつまずきは、その次に来ます。入力欄を前にして手が止まり、こうおっしゃるのです。

「……で、何を聞けばいいんでしょうか?」

これは講座で本当によく起きる場面です。決してその方の能力の問題ではありません。私たちは長年「検索窓には短いキーワードを入れるもの」と教え込まれてきたので、「文章で話しかけていい相手」を前にすると、かえって固まってしまうのです。

つまり、AIのつまずきの正体は「操作の壁」ではなく「話しかけ方の壁」ということです。

得意になる人の共通点は「雑に話しかける」こと

では、その壁をすっと越えていく方は何が違うのでしょうか。

講座の休憩時間にある受講者さん(50代の方でした)が、スマホでChatGPTにこう入力しているのを見かけました。

「今日の夕飯、冷蔵庫に豚肉とキャベツしかないんだけど、なんかいい感じにならない?」

正直、お手本のような質問文ではありません。でもAIはちゃんと、豚肉とキャベツで作れる献立を3つ提案してくれていました。その方は「へえ、通じるんだ」と笑って、次の質問を打ち始めていました。

一方で、途中でやめてしまう方には、こんな傾向があります。

  • 「正しい聞き方」を考えすぎて、1回も質問できずに終わる
  • 1回目の答えがイマイチだと「AIは使えない」と判断してしまう
  • 「こんなこと聞いたら変かな」と遠慮してしまう

おわかりでしょうか。AIが得意になる人は、上手に質問しているのではなく、「雑でいいから、とにかく話しかけている」のです。

AIは検索エンジン(キーワードで情報を探す仕組み)とは違い、会話のキャッチボールができます。1回目の答えがずれていたら「もっと簡単な言葉で」「3つにまとめて」と言い直せばいいだけ。最初の一球を完璧に投げる必要は、まったくないのです。

初心者でも今すぐできること

講座でお伝えしている中から、特に効果があった「雑に話しかける練習」を3つご紹介します。

1. 今日の晩ごはんを相談してみる

一番おすすめの最初の一歩です。「冷蔵庫に〇〇があるんだけど、何が作れる?」と、友人に話すような文章で聞いてみてください。仕事の質問より気楽で、答えの良し悪しも自分で判断しやすいのがポイントです。

2. 答えに対して「もう一言」返す

AIの答えを読んだら、そこで閉じずに一言だけ返してみましょう。「もっと短くして」「小学生にもわかるように」など、注文をつける感覚で大丈夫です。この「2往復目」を経験すると、AIが会話相手だという感覚が一気につかめます。

3. 「変な質問かな」と思ったことこそ聞いてみる

AIの良いところは、何を聞いても嫌な顔をしないことです。人には聞きづらい「今さらこんなこと聞けない」という疑問こそ、AIの出番です。講座でも「誰にも聞けなかったことをAIに聞けた」という感想をよくいただきます。

まとめ

今日は講師の現場から見えてきた、「AIが得意になる人」の共通点をお伝えしました。要点は次の3つです。

  • 初心者の本当の壁は操作ではなく、「何を聞けばいいかわからない」という話しかけ方の壁
  • 得意になる人は上手に質問しているのではなく、雑でいいから数多く話しかけている
  • 最初の練習には「晩ごはんの相談」がぴったり。答えに一言返す「2往復目」まで試すのがコツ

AIは、正しく使わないと動かない機械ではなく、言い直しがきく会話相手です。今日の夕飯のことでも、ちょっとした愚痴でもかまいません。まずは一球、雑に投げてみてください。

もし「一人だと不安」という方は、講座や個別サポートで一緒に最初の一歩を踏み出すこともできます。お気軽にご相談くださいね。

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